いっちぃ勉強会で非平衡統計力学を学んだ


(おか Advent Calendar 2023の10日目)

今日はいっちぃ勉強会だった。いっちぃ勉強会とは、いっちぃさんを盟主として月に2回ほど土日に開催しているオンラインの勉強会で、情報系や物理系の本を輪読している。

これまでは

を読んできた。前回まで読んでいた『ベイズ法の基礎と応用』は、最初のほうの読み物が面白かったので選んだのだが、数式の誤植が1ページに1個くらいの勢いであることもあり、証明を追っていくのが辛くなってきた。そこで途中でやめることにし、今回からは沙川『非平衡統計力学』を読むことになった。

今回は第一章の途中まで読んだだけだが、ゆらぎの熱力学 (stochastic thermodynamics) がどんなものかがなんとなく分かり (ミクロだけど熱力学的に振る舞う系を扱い、まわりの環境の影響により系の熱力学第2法則は破れることがあると理解した)、以下の2つの論文も眺めて面白かった。

1つめの論文

これはレーザーピンセットにより RNA を伸び縮みさせ (RNA の両端にコロイドがついていてそれを操作する) 熱力学的性質を測定したという論文。光ピンセットはノーベル賞を獲ったのは知っていたけど、このように使えるということを知って衝撃を受けた。

2つめはマクスウェルの悪魔を実現した有名な論文。

この本の第1章を読んでから読むと、この論文に出てくる数式は全て馴染みのあるものに見え、有名な論文がなんとなく分かった気がしてうれしかった。久しぶりにいっちぃ勉強会で達成感を得た気がする。

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