(おか Advent Calendar 2023の3日目)
今日は祖父(95)の家に行き、古いカメラを見せてもらった。これが祖父の棚の写真。
中段左には二眼レフカメラ、中央には一眼レフカメラがある。これらは祖父(1928年生まれ)も実際に使っていたとのこと。お目当ては下段にある蛇腹のやつ。
これは祖父の父か、さらに上の代の人が使っていたようだ (ちゃんと聞いてこなかった)。なんでこれを見に行ったかと言うと、先日技術書典15で『戦前カメラをデジタル化する本』 (BOOTH, 技術書典) を買って自分もやってみたくなったから。
上に貼った BOOTH や技術書典のサンプルページを見ると分かるが、この本では蛇腹カメラの写真乾板を入れるところに、アルミ板をくっつけたデジタルカメラをマウントして撮影している。アルミ板を加工する技術は持っていないので、3Dプリンタでどうにかできないかな、ととりあえず乾板入れるところの大きさを測ってきたというのが今日の進捗。
ちなみに乾板というのはこういうもの。
写真だと分かりにくいが、これは擦りガラスの板に乳剤を塗って乾燥させ、カメラに入れて感光させたもの。これをどうにかすると写真として現像できるらしい。
祖父の家は神道なので、被写体の人はその服を着ているらしい。でもよく見ると右下にピンが写っているので、写真を撮った写真? 謎だった。
ところで写真乾板と言えば、原子核乾板を思い出しますね。え、原子核乾板をご存知ない? 写真乾板と同じ原理で素粒子などの飛跡を記録できる技術で、例えばピラミッドの中にある部屋を見つけるのに使われたやつです。
これは応用科学的な成果ですが、基礎科学でもパイ中間子の発見 (1947年, 湯川秀樹のノーベル賞につながった)、タウニュートリノの発見 (2000年, 名古屋大学の丹羽公雄らが貢献) など重要な発見に関わっています。現在でも、ダブルハイパー核の研究、暗黒物質の探索、高エネルギーニュートリノの研究やアクシオン探索、ガンマ線望遠鏡としての利用などが行われています。原子核乾板は古くて新しい技術なのです。
原子核乾板のことは Interaxion というポッドキャストでよく話しているので聴いてね!